最近の会社員には「即戦力」が求められている、と言われてます。
実際、会社の面接の時に「あなたは会社のために何ができるか?」と聞かれることもあると友達から聞いたりもしています。

私は行動分析系の人間なので
「できる」=(何らかのきっかけの下)何らかの行動が成立する(そして、その行動を将来的に継続させる結果が生じる) 先行刺激⇒反応⇒結果(強化子の出現)
と考えています。

更に「会社のためになる行動」と「ならない行動」があり、その「よい行動」は会社の文化によって異なっている、と考えています。言い換えれば、社員の行動は会社の文化(ルール・慣習など)によって制御されている。

※行動分析が言う「文化」の定義を追記しておくべきか?

そのため、「会社のためにできることをしていく」ということは、会社の中で「よい」と評価される行動は何かということを知り、その行動の成立・維持に必要なきっかけと結果(乱暴な言い方をするとモチベーションを上げるようなできごと)を「会社と社員が共同で」作っていくと個人的には考えています。

今は、社員が自分で自分の行動を制御してその会社で求められる行動を成立・維持できるようやりくりできる「即戦力」を求めているようですが。

障害者雇用の場合「スキルをそもそも持っていない」「課題行為がある」「モチベーションが低く、精神的に脆い」(まあ健常者にも同じことが言えるんだけど)といった課題が顕在化しやすいため、その「会社と社員が共同で」という部分をより強調すべきかと思っています(社員として生活を送る上でどんな支援が必要かを会社と被雇用者が日頃から話し合う、など)。

ここのあたりで、修士論文で考えていた「支援情報シート」が役立つかと考えています。

その前提として、会社側は「我が社は○○といった行動をよい行動として評価している」ということを自覚・明記している(自社の文化を理解している)必要があると考えています。

前に日記に書いたQOLとは随分内容的に離れましたが、「会社の文化」はかなり重要だと考えています。仮に、障害のある会社員が何らかのきっかけ・結果をもとに特定の行動を成立・維持させても、その行動を会社が評価しなければそこに「よい行動」は存在しない(むしろ逆効果になる可能性すらある)わけで、その行動は一過性のものとなり、本人が周囲から認められる機会が失われてしまうことになります。

修士論文では、(行動分析の行動の記述に沿って書くことができ、かつできそうな行動のアイディアが出やすくなるよう改良した支援シートとこれまでの支援シートを用意した上で)支援情報シートの中に仮の事例を入れて、被験者に仮の会社員ができそうな行動のアイディアを書いてもらい、内容を評価しました。

結果、行動分析の行動の表現の方法にそって書けるようになるということなら一定の効果はあったものの、アイディアは全く増えずませんでした。

また「各会社によって評価される行動は違う」という「現場の文化」というところまで考えられていなかったなと思います。

もし博士とかでやるなら、やっぱり現場じゃないとダメかも。

疲れたからまた今度。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索